「日韓青少年交流を通して」

                                       第六回
                                                引率者塾生 曽我部

 縁あって四国政経塾に入塾して、早1年半月の月日がたちました。その間、ボランティアによる、日韓文化交流現代舞踊団・韓国トラストによる愛媛公演、機会の学塾の来日勉強会、そして今国の日韓青少年交流です。
 平成13年7月23日、昨年訪韓した子供達と四国政経塾の塾生で松山空港に出迎えに行きました。今回の日韓青少年のホームステイは、韓国との教科書問題・靖国神社参拝問題で全国的にスポーツ・市と市の交流が中止される中、大和田塾頭は 「政治レベルの問題で、民間レベルの国際交流を中止するのはおかしい」 と、今回の日韓青少年の交流を実行することになりました。松山空港ではマスコミ関係・テレビ局等が取材に来ており、大和田塾頭は、政治レベル・民間レベルでの交流のあり方を強調していました。韓国の子供達にインタビューがあり、訪日をし、色々な経験をして帰りたいと答えていた。空港で記念撮影を取り、用意していたバスに乗り四国政経塾に向かいました。四国政経塾につき、両国の子供達の紹介、日本の子供の代表が韓国語で挨拶をし、韓国の子供の代表が「1週間で日本の文化等を学んでかえりたい」と挨拶をした。各ホームステイ先の家族の対面をした後、訪日した韓国の子供達に新聞社のインタビューがあり、訪日した喜びを答えていました。
 24日、土居役場に表敬訪問し、土居町の産業・文化等・町長の説明を熱心に聞いていました。その後、三島市役所に表敬訪問し、市長から三島の産業・文化をも聞き、三島市の紙の産業についての質問も出、日本の子供達も、もちろん韓国の子供達にとっても、いい訪問だったと思います。
 正午前に西条市・チロルの森に行き、昼食を取りました。その中で韓国の子供がホームステイ先の幼い子供に肉を焼き、細かく裂いて食べさせている光景が目に入りました。言葉の違いなど関係ない、自分の意思を行動で表わし楽しく食事をしていました。昼食後、少しはなれた所の鴨川で水泳をし、プールではあじあうことの出来ない自然の中での子供達の泳ぎに、私たちも時間が過ぎて行くのも忘れ、自然の恵みの中で水泳を楽しみました。
 25日、しまなみ街道を通り、耕三寺に見学に参りました。昼食後、耕三寺前で記念撮影をした後、寺内を見学し、大和田塾頭の説明に子供達は耳を傾け、熱心に聞いていた。その後、潮聲閣 (お母さまの部屋) を見学し、日本古来の庭園、日本建築を勉強し、最後に大和田塾頭が子供達を正座させ、仏壇の前でホームステイの無事故を願って般若心経を唱えました。
千仏堂、新博物館見学の後、今治城を見学した。その日の夜は、三島花火まつりがあり、各ホームステイ先では浴衣を着せてもらった子や、アウトドア用のテーブルをもって行き、花火を楽しんだり、夜店が楽しかったり、各ホームステイ先で、三島花火祭りを楽しんだそうです。
 26日、松山・砥部焼センターに行き、各自湯のみに絵付けをすることになっていて、子供達は、花・野菜・動物・マンガキャラクターの主人公と色々、絵柄を画いていました。その後、昼食を取り松山NHKを見学しました。子供達はニュースの放映の仕方、それから自分でニュースキャスターになり、日々どの様に放送されているのか実際にニュース記事を読みテレビに移してもらう体験をさせてもらったり、韓国の子供の中には、「失敗は何回まで許されるのですか?」という質問もあり、熱心に説明を聞いていました。NHK見学後、韓国の子供達のお土産物のショッピングの為、新居浜ジャスコにて買物を楽しみました。
 27日、新居浜別子銅山記念館・マイントピア別子を見学し、住友財閥の歴史を学び、愛媛県総合博物館に行き、天体の神秘・科学の進歩を学びました。館内の一部に七夕の竹が置かれており、日韓の子供達は短冊に自分の思いを込めていました。日本も韓国も同じだと感じました。その夜、伊予三島コスモパルにてお別れ会です。
 大和田塾頭の挨拶・土居町長・小野晋也代議士等の挨拶があり、日韓青少年交流のお別れパーティーがはじまりました。両国子供達による歌の交流、韓国の子供の空手の型の披露、そんななごやかなパーティーの中、時間が過ぎて行きました。パーティー最後に、両国子供のお別れの挨拶、挨拶の後は、両国の子供達は互に抱き合い別れを惜しみ泣いていました。言葉や文化の違いを通りこし、深い友情になったのだと私は思いました。
 28日、早い1週間だったと思います。松山空港に帰国の途につく韓国の青少年達を四国政経塾の塾生、ホームステイ先の家族、出発前のロビーでは、この1週間の想い出を話す子、ワイワイ騒いでいる子、いろいろでしたが、塾頭最後の挨拶、日韓の子供1人1人の別れの言葉、そして両国の子供達が向かいあい握手をした時、お互いに自然と涙が出ていました。出発カウンターの中にはいる前に、抱きあって離れない子供、泣きじゃくる子供、この光景を目にした時、世界には国境はない、お互い国の文化・歴史はあるが、私はこの日韓青少年の交流を通して近き将来、今問題になっている様な事は無くなるだろうと思いました。
 最後に、この日韓青少年交流にあたり、ホウムステイを受け入れてくださったご家族に深くお礼を申し上げます。ありがとうございました。


目次へ