第 106 号
韓国ソウル「ECO PRODUCTS KOREA 2006」
 平成18年11月23日から26日の4日間、韓国ソウル市にあるCOEX(コエス)というコミュニティセンターを会場に、環境問題に取り組む企業・団体等によるエコプロダクツ展示会が開催されました。
 以前より韓国スーウォン市で、PLA(生分解性樹脂)原料の研究開発をされている「NPI Co…Ltd」代表であるシム氏よりご連絡をいただき、22日にソウル入り翌23日に展示会場を見学しました。

 シム氏は韓国大手企業の「SK NetWorks Coporation」が出資する「Ecol Green」という会社の理事でもあり、今回はPLAを使用した様々なサンプル商品を展示紹介されていました。
 PLA(生分解性樹脂)とは、トウモロコシ等の澱粉を醗酵させ、ポリ乳酸を精製しプラスチックの原料とするもので、成分の殆どが天然成分ですから、土中に埋めると微生物の働きにより分解され土に返るという環境にやさしい原料です。また、原油から精製することもないので、これからのエネルギー・環境の両面から非常に注目を浴びている原料です。日本においては、5年程前から本格的な研究が進められ、代表的なものではトヨタが一部の自動車用カーマットに使用、また味の素ではキャプ部分に使われています。原料原価が通常の原料より高価なため、市場にはまだまだ出回っていないのが現状のようで、一般的には余り目にすることはないと思います。

        

 さて、展示会場には韓国内から沢山の企業や団体が、会場一杯に様々な展示をされていました。プラスチック関連始め、IT関連・水関係・建築資材・事務用品・また自動車部品等、取り組みの分野も広範囲に渡っていて、ここ韓国においても環境問題に力を入れて取り組んでいる現状を理解することが出来ました。日本でも12月14・15・16日の期間で、東京ビックサイトを会場にエコプロダクツ2006が開催され、そのピーアール活動として主催者である日本経済新聞社も会場入りしていました。(詳しくは・・・http://eco-pro.comにて確認出来ます。)ご興味のあるかたは、是非ご参加されてみてはいかがでしょうか?!

        

 展示会場にて、シム社長のPLAを使った畳の開発に取り組んでいる、「Wonjin industrial Co..Ltd」のHong社長とYun氏をご紹介いただき、昼食をご馳走になりながら、ご面談させていただきました。日本の伝統でもある畳の素材は「い草」ですが、現状は中国製のものが大半で、その「い草」も年々収穫出来なくなっているようです。見本品を見せていただきましたが、大変よく出来ていて驚きました。課題としては色合いが従来の畳と少し違う点、「い草」独特の香りはさすがに出せない点などがありますが、科学的立証には至ってないものの、肌に優しく、防カビ・抗菌作用も期待できることもあり、可能性に富んだ商品であることには間違いないと思いました。環境を取り巻く活動から、韓国においても着実に人の和が広まって来たことを実感しながら、これからのエネルギー・環境問題がビジネスにおけるキーポイントになることも確信致しました。これからも社会的意義を持って、四国政経塾の活動を継続していくことを、ここ韓国において改めて決意を固める有意義な研修となりました。
平成18年11月23日
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