第 109 号
「高知県立坂本龍馬記念館」・「橋本塾長」を訪ねる
 平成18年12月16日() 四国政経塾恒例の研修事業である「偉人館巡り」で、高知市の桂浜にある高知県立坂本龍馬記念館へと向かいました。坂本龍馬と言えば四国政経塾では、塾長である橋本邦健塾長なくしては語れません。以前から勉強会など事あるごとに塾長の偉業については色々聞かされておりましたが、私自身入塾して2年近くになりますが、まだ一度もお会いしたことがなく、是非お会いしてお話を聞いてみたいということで、ご連絡したところ幸運にもこの日にスケジュールが整いました。

※ 橋本塾長の偉業とは・・・橋本塾長は坂本龍馬の偉業と精神を継承するため、記念館の設立を志し、自分自身が身も心も坂本龍馬になり、袴にブーツのいでたちで全国を歩き約8年をかけて全国47都道府県全てに龍馬会を設立、10億円の寄付を集め記念館を設立し高知県に寄贈した。その活動は今尚継続されており、アメリカ・ドイツ・フランス・インドネシアにも龍馬会を設立。その活動は国内を飛び出し、世界へと広がっている。現在ヨーロッパやアフリカのコンゴにも設立の計画がある。また、ウォーキング協会と連携し、ただ歩くだけでなく歴史や文化を感じ取る活動をミックスさせ全国を飛び回っている。まさに平成の坂本龍馬である。

 さて、当日930分に事務所を出発、到着までに塾頭から橋本塾長の経緯を聞きながら、自分自身の中で塾長を色々イメージしておりました。新聞などの記事で写真を拝見する限りでは、とても穏やかなイメージを持っていましたが、当時の高知県知事である中内功知事へ直談判に及んだ等の数先ずのエピソード等から想像すると、頑固そうな人ではなかろうか?等など・・・・しかし、現地に到着し始めてお会いした第一印象は、なんとも穏やかで笑顔が素敵な叔父様でありました。偉そうにするでもなく、むしろかなり腰の低い感じであり、こちらが恐縮する感じにさえなりました。記念館の傍にある国民宿舎の喫茶コーナーで橋本塾長とご面談。現在は「全国龍馬社中」会長と「高知県ウォーキング協会」会長をされており、11月に愛媛県で215キロを徒歩で歩いている記事を見せていただきました。全国に呼びかけて20人程の人と歩いたそうですが、「とにかくキツかった。」・・・・なんとも人間味のある言葉でした。実際一日平均30キロを歩くのは、60歳を超えた体にはかなりキツイと思います。しかも7日間連続ですから。いや実に随分正直な方だと思いました。
 しかし、何でウォーキングなんでしょうか?!実は・・・これも坂本龍馬と実に深い繋がりがありました。坂本龍馬も日本の夜明けを見つめ日本中を駆け巡ったウォーカーですから。橋本塾長はただ歩くだけでなく、「健康+歴史・文化」と考えています。歩きながら各地の文化歴史を学び、日本を見つめ直したいと言われます。それだけではありません、一日50キロを歩き2DAYウォーキングを企画しています。なぜかと言うと、ウォーカーは日本ウォーキング協会が発行する新聞「あるけ・あるけ」を愛読しており、そこに歩いた距離が掲載されます。また、多く歩けば協会から表彰されるということを目標に歩いているそうです。短い距離では人は集まらない・・・・距離を増やし2日の企画にすれば、必ずその地域で一泊することになります。開催地域に1回に来るウォーカーは約3000人〜5000人。帰りには地域のお土産も買って帰ります。観光イベント効果もあると言うわけです。総理府調査によると現在のウォーキング人口は35千人で、これから45千人に増えるというデータもあるとのことで、なんとも実によく考えられています。四国中央市でも是非計画してみては?ということで、山内一豊が参勤交代で歩いた「土佐街道」をテーマに研究を進めるとこをお約束しました。
 全国龍馬会の設立に当たってのお話では、苦労したことも山ほどあったと思いますが、「とにかくしんどかったが楽しかった。」という言葉が印象的でした。とてつもなく凄い事をやっているのに、実にサラッとお話されるもので、自分にも出来そうに思えるほど、塾長のお話に聞き入ってしまいました。また、出来上がった物に対して決して驕ることなく、あくまで控えめな姿勢にも感銘を覚えました。
 お話を終え、坂本龍馬記念館の内部を塾長にご案内いただきました。当日は坂本龍馬のご子孫で、農民画家の坂本直行さんの作品展示会が開催されあり、坂本龍馬の展示品は京都博物館へ貸し出し中とのことで沢山はありませんでしたが、一つ一つ丁寧に塾長より説明を受けました。龍馬がお姉さんに宛てた手紙では、日本で初の新婚旅行といわれた妻「お龍」との霧島の旅の様子が細かく綴られており、坂本の人柄を知る貴重でもあり、また大変面白い資料でした。坂本龍馬と中岡慎太郎が会談中に刺客に襲われた近江屋にあったとされる屏風と掛け軸(いずれも国宝で京都の国立博物館に保存されており、複製である。)が展示されており、血痕が残されている様子から、部屋のどの位置でどのように襲われたかまで、詳細に知ることが出来ます。展示会場を上へ上がると太平洋を一望できる部屋へと行き着きます。そこには、一つ椅子が置かれており、海を見つめ一人ひとりが坂本龍馬になってほしいとの願いが込められている場所でした。私も椅子に座り、海を眺め自分自身が今から取り組む活動に際し志を持って取り組む決意を致しました。
 橋本塾長はおっしゃいます。「龍馬のことをただ勉強したいというのではなく、自分たちが龍馬になる為の会を作ってほしい。そのための協力は惜しまない。」実に、塾長らしいお言葉でした地域から日本を変える運動を実に実践し続ける鉄人であり、我々四国政経塾塾長にこのようなすばらしい方がいることに誇りと自信が深まりました。また、自分自身がこの環境で学べることにも感謝と貢献の念が一層湧き上がってきました。

 高知県立坂本龍馬記念館は当日で、5496日(約15年)で、196万8093人の入場者(一日平均約5,400人)を迎えている高知県人気の観光スポットとなっています。皆様も是非高地へお越しの際には、お立ち寄りください。詳細は・・・(Http//www.kochi-bunkazaidan.or.jp/~ryoma)にてご確認出来ます。
平成18年12月16日
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