第 140 号
ボランティア講座
 平成20年12月18日に四国中央市ボランティア市民活動センター等の主催による「人生いきいきボランティア講座」に参加して来ました。
“えひめNPOセンター”の代表理事を務める菊池修先生の講師として、ボランティア活動を主なテーマとした講演を聴くことができ、今まで自分が知らなかった事を学べたと同時に、自分自身のボランティアにおける認識を正す良い機会となりました。今後の四国政経塾での活動においても大変参考になったと思います。

 講演の内容は、地域におけるボランティアの役目についてやボランティアとNPOの違いについて、そして行政に対する現代人の認識についてなどでした。
 まず「ボランティア」の本来の意味は“利益を省みずに自発的な善意により活動・行動をする事”であり、他に強制されて行う事はボランティアとは言わないとの事。例えば、自治体による休日の清掃活動などは、地域を良くする為に必要な活動ではあるもののボランティアではないということ…つまり、協力して地域の為に活動することは、いわば住民にとって“当たり前の事”で“ボランティアではない”とのことです。
 このお話からも、現代の日本人は時代の流れと物質的な豊かさを得る中で地域や周りを思いやる気持ちを忘れ“個人主義”に変わってしまい「ボランティア」という名目無しでは無償で自分以外の為に行動出来なくなった…という悲しい現実が浮き彫りになっているという事です。そういった現状の中で「ボランティア」の持つ本来の意味が履き違えられて広まっているという話は、とても驚きを覚えたと同時に、自分自身も「ボランティア」という言葉について、今までは“人の為になる事をする”という漠然とした意味での捉え方しかできていなかったことに気づき考えさせられました。

 他にも、現代社会では街や地域における問題を“行政”に押し付ける事が多いとのお話もありました。ここでは、住民が“地域を良くするのは行政の仕事”という間違った認識の上で、行政に不満を抱えてしまっているという社会問題について触れ“行政”とはコミュニティー(地域)とコミュニティーを繋ぐ“公共の場”を管理する為に作られたものであるという事を学びました。
 つまり、地域を改善するのは自分たち住民の役目であるということです。住民が各々の地域における問題を改善するに当たって“自分たちが行動する”のではなく“行政に不満を言い責任転嫁する”といった間違った問題解決の過程で行政の負担が増え、税金の無駄な使い方が促進されている、そして結果的に今日の日本の財政破綻にも繋がっているとのご意見もあり、大変勉強になりました。

 今回の講演を通し「ボランティア」や「地域・公共・行政」といった普段良く使う言葉の意味について、もう一度その本来の意味と役割を見つめ直すことが必要であると感じました。また、先ずは“身近な人達の為に自分は何が出来るのかを自分自身で考え、今すぐ出来る事から行動に移す”という事が大切であり、それが、周囲を良くし、地域が良くなり、結果的に国を支える力にもなるという“ボランティア”の持つ大きな力を知る事が出来ました。これからも“地域から日本を変える…”という目標を掲げる四国政経塾で、本当の意味でのボランティア活動を日々に積み重ねて行けるよう頑張りたいと思いました。

平成19年12月18日
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