第 275 号 |
『中岡慎太郎館・歴史民俗資料館』訪問 |
「尊皇攘夷」に大道を見出すまでの思想形成の出発点は、故郷、北川村の厳しい自然と、田畑が少なく貧しい思いをする人々にあったようです。 実家は、大庄屋という役職にあり、そんな村民の生活を守る立場にあった。慎太郎は、幼少期より父親が資財をさいてまで仕事に励む姿を見て育ちながら「民衆の暮らしを守る」と言う考えが根底に根ざしていました。 また、勉学に励み恩師である漢方医:島村策吾、間崎、武市といった優れた人物との出会いにより、慎太郎は見識を広げていったと思います。 慎太郎の国家ビジョン 「時勢論」で述べる国家とは「危機意識を持って民衆を守り、前例や身分にとらわれない、適材適所に人材を配して政治運営がなされる事」とある。スローガンは「尊攘」と称して、尊王と攘夷、すなわち、天皇を頂点にした政治体制を構築し、国防のための軍事力を充実させる事を説いています。そして、「攘夷」の解釈として外国から不当な軍事的圧力を受けた場合、独立国家として存続するために戦う事であると言う解釈を打ち出しています。 慎太郎の思想の核 慎太郎の思想の核は人間の尊重でした。 「国家形成の基礎は人間である、人間が持つ長所を活かす事が大事である」さらに、「人としての価値は、家柄ではなく、自分自身が何をなすかによって決まる」と友人にあてた手紙の文章にありました。人間が人間らしく暮らせる平和な世の中をつくることが願いであったと感じた。 私の感想 慎太郎館では、多くの史実が伝えられていましたが、幼少期から真剣に「志」を立てようと、本気になって多くの人から学び、考えを説いてその志を貫きました。この時代背景を考えると激動の時代でしたが、常に、命の危険を感じながら仲間の死を見ても、尚、その意思は強かった。 「すごい人だ」としか感想を述べられませんが、自分の殻に閉じこもるのではなく、家族、人々、国家に対して今から何をする事ができるか考えます。その中で、自分は、人が持つ長所や短所を見極め、まわりの長所を伸ばすことのできる人間になりたいと思います。 まずは、地域から変えていきたいと考えています。その為には、自分に対しての強い意志を作っていき、地域を「向こう三軒両隣」といった昔ながらの地域にしていきたいです。 一人の志から千万人の志が一緒に行動すれば国家を変えられるとするなら、まず、何をなすべきかを考え志を描いていく生き方がしたいと思います。 |
平成26年4月26日 |
目次へ |