第 80 号
地域主催フォーラム
 2月11日に兵庫県加古川市で松下政経塾主催の「新しい地域と公共の経営〜加古川から未来を考える」と題した、地域主権フォーラムが開催された。松下政経塾(以下本塾)からは関塾長をはじめ、24期生〜26期生までの一部塾生が来場されていた。

 開会にあたり、関塾長よりご挨拶があり、そこでリーダーの資質と条件というものをいくつか提示された。 「何よりも堅い志」・「将来へのビジョン」・「相手への思いやり」・「日本の近・現代史を知る」・「相手の話を聞く素直な心」・「決断力」・「自分の体調管理」の7つだ。どれも松下幸之助塾主が社員や塾生に言い聞かせていた事だという。
 さらにこの中で日本の伝統や文化を学ぶ重要性にも触れられた。悠々と先祖が築きあげてきた我が国の伝統と文化を知ることが、日本人のリーダーとして大切であると述べられた。ナショナルを一代で築き上げた経営の神様ならではのリーダー論であると感じた。

 今回の開催は、国・地方の財政再建が叫ばれる中、地域への主権委譲を政治・行政・企業・国民のそれぞれの視点から考えるというのが趣旨である。

 今、日本は700兆円を超える多額な借金を抱えている。年間の国債発行額も30兆円を超え、債務超過に陥っているのが現状だ。

 前川塾生は講演で、日本の現状を変えていくためには、「限界まで累積した建設国債・赤字国債や少子高齢化社会」・「納税者意識の低迷・財政運営のモラルハザード」という二つの大きな問題に注目し、「将来世代への意識」・「受益と負担の明確化」・「国民と地域の可能性を最大限に引き出す」などの早急な対策が必要であると述べ、地域主権型財政構造への転換、地域主権型国家における行政機構の確立、自然環境・福祉・教育・防災・バイオマスなどの各分野における大きな公共サービスへの移行という21世紀の日本経済・社会システムを示している。

 道州制導入が時間の問題となり、今までとはまったく違った行政運営を地方自治体はこれから求められることになる。しかし、本来の行政のあり方は、小さな政治で大きな成果を挙げるというのが前提だった。肥大化してしまった政治を全て見直し、公共を担う国民・住民が政治の生産性や効率的な行政、新しい地域のあり方を見つめつつ、新しい日本国のかたちを作りあげていかなければならない。

 このフォーラムには100名以上の参加者があり、時間不足の感じも否めなかったが盛況なうちに幕を閉じた。 私も興味深い内容であり、大変勉強になった。

 フォーラム終了後に行われた懇親会では、本塾の関塾長や各塾生たちと名刺交換させていただくなど貴重な経験をさせていただいたまた、前川塾生はこのフォーラムに卒塾がかかっていたらしく、企画立案から全てを担当したと聞き、大変なご苦労をされたとのこと。
 このフォーラムを成功させた前川塾生に敬意を表し、ご盛会をお喜び申し上げます。

 今回のこの地域主権フォーラムを通し、松下政経塾との繋がりも再び生まれ、良い機会に恵まれたと感謝しつつ、この機会をこれで終わらせることのないよう塾生同士が相互に、そして積極的に協力し合う事が大切である。

 今後は、本塾のご指導を仰ぎつつ地域の発展へ各々の立場から活動し、貢献していきたい。
平成18年2月11日
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