第 81 号 |
「平和環境健康特別区」申請特別シンポジウムに参加して |
平成18年3月10日に島根県松江市内にある“くにびきメッセ国際会議場”にて、財団法人人間科学研究所主催(理事長 小松昭夫氏)による「平和環境健康特別区」申請特別シンポジウムが開催されました。このシンポジウムは、我々人類が今まで地球上の有効鉱物資源をフル活用し、高度文明社会を構築して来た結果、地球温暖化や自然災害の多発、また人口の爆発的増大による貧困や飢餓、公害の拡大など、地球環境に様々なマイナス要因を頻発させ、世界の平和と地球の永続に強い警告が提起されているなか、問題解決の糸口が見出せない現状でることから、最も困難な社会問題を解決する視点で、平成17年に中国・四国平和州構想「平和環境健康特別区」の申請を提出し、今一度世界の中で我々の国の置かれている立場や、国民の一人一人が果たすべき役割を明確にすることが求められることからも実施されることになったものであります。実に壮大なテーマに取り組んでおられます。我々四国政経塾においても「地域から日本を変える」というテーマを掲げており、引いては日本から世界へとの繋がりを感じ、神々が集まると言われる出雲の国へと赴きました。 開演前に小松理事長様にお会いし、ご挨拶をさせて頂きました。何分十分な準備が出来ず心配であるとのお話でしたが、沢山の方が参加されとても盛会でありました。第一部では「和譲」の心で平和をというテーマで、中国の孫衛東氏と韓国の李挺錫氏の2名からの講演があり、その後「北東アジアから平和モデルを」と題して、中国・韓国・日本の三国からのパネラーによるパネルディスカッションが行われました。それぞれの国の立場や視点から見た、日本に対する提案や問題提起がなされたり、中には靖国参拝問題など国家外相レベルで議論されているシビアな問題なども提唱されました。互いの国の文化観や生活観など、まだまだ相互に理解出来ていないことが沢山あるのではないかと思った次第です。正直今回の講演・パネルディスカションでは焦点がボヤケた感じがして、全体的な問題点が見えない感が歪めませんでした。しかし、これだけ異国の方々に参加いただき議論を行うには、今日に至るまでの多くのご苦労と行動が必要ではないかと思い、改めて小松理事長を始めとする人間科学自然研究所の行動力には敬意を表したいと思うと同時に、我々にも大変参考になるものではないかと思いました。 第2部では、マクロビオテック食(バランスのとれた健康食)を世界的規模で啓蒙・普及活動されている久司 道夫氏による記念講演が行われました。「食を通じて世界平和を」と題してのご講演で、欧米的な食生活からアジア的な食生活への移行の必要性を提唱されています。単に食することだけでなく、戦後の日本の食生活が、犯罪や暴力行為の増加や、家庭の食卓(食事)が悪化していることなどが、これらに大きく関係していることを教えていただきました。非常に身近で簡単そうでありながら、なかなか身近なことだけに習慣づけることが難しいのですが、食することは万民に共通していることですから、確かに理論的には世界平和に繋がる第一歩だと思います。しかしながら、食生活のバランスを考えることが出来るのは、むしろ幸せであって、満足に食することすら出来ず、餓死する人々のほうが世界的人口規模からすれば多いのだということも事実ではないかとも思い少々複雑な心境にもなりました。 翌日は、出雲大社に訪れました。冒頭にも触れたとおり、日本中の神々が集まると言われるところであります。ご承知のとおり大きなしめ縄がある縁結びの神様と言われる神社です。境内に入る前に、日本の国家に歌われる「さざれ石」があり、その由来と説明が書かれていました。今更ながらわが国の国家の意味を噛み締めました。また、神々が10月にこの地に集まり会議をすることから、10月が各地に神がいなくなる月として神無月と言われることの由来も知ったのであります。実に優雅で、いにしえの面影を偲びながら、旅の無事と今年一年の関係者の健康を祈願させて頂きました。 |
平成18年3月10・11日 |
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