「四国政経塾・来年度への思い」


 故松下幸之助塾主が松下政経塾に1期生を迎えたのは、一九八〇年、八五歳のときでした、八〇歳を過ぎて次代を担う指導者を育てるという大きな構想を練り上げ、私財七〇億円を投じて新規の事業を立ち上げるという、その事実だけでも、並々ならぬ思いがあったのだろうと想像できます。
 仮に私達が裸一貫から身体も丈夫でない状態から事業も成功し、名実ともに日本のみならず世界からも実業家と認められて、八五歳とゆう高齢でこの様な構想を立てられるか如何か考えてみて下さい、やり遂げたから松下幸之助が又大きく名を残されたのだと思います。
 其の原点は故松下幸之助塾主が本気で日本の将来を心配し、松下幸之助氏の強い思いと、これからの日本に対する危機感がこの様な行動が松下政経塾の誕生につながったと思われます。
 私達は松下幸之助塾主の様に日本国の事を考えた事が有るでしょうか、おそらく多くの人は無いと思います。今日の自分の仕事、生活に追われ、何時の間にか個人主義に成り、何事をするにも、先ず自分中心で物事を考え行動しているとしか思われません、此れでは地域の活動もおぼつかないし、まして日本国全体の事など考えられません。
 皆さん考えて見て下さい、日本の政治が上手く国民生活の事を考えて、初めて地域が活性化され、国民生活がよく成る事を、今の政治は党利党略の政治に成っていませんか、松下幸之助塾主の様に国民全体の事を考え、国を変える、しいては地域を変える事により、皆の生活がよく成ると考え、八〇歳を超えて本気で行動を起こした事を、人によっては、松下幸之助は事業も成功し、お金を持って居たから出来たのだと思う人も居ると思いますが、一代で松下電気(現パナソニック)を立ち上げ自分で稼いだお金です、皆さんが此れだけのお金を稼いだとして、国を変え、地域を変える為に使いますか、多くの人は自分の会社の為、個人の老後の為と自己の事に使うのでは、此処でよく考えて下さい、混迷を深める世界に成るこの時代にこそ、自分の事で無く、自分達の子供、孫の為に良い国を作り安心して暮らせる日本を残すのが本当の今の自分達の大きな仕事では無いでしょうか。本気で物事をやり遂げる勇気とは、自分の本分、つまり自分にしか歩けない道を、どんな困難にも負けずやり遂げる勇気と気力が必要と思います。
 現在、事業を興そうと努力している人、会社勤めで自社の経営に携わっている人、様々な人が現在努力していると思われますが、本気で、命がけ普段の仕事をしている人が何人いるか解りませんが、我々は日々年を取り、人生の終わりに向かって生活している事を自覚すれば、日々命がけでイロイロな物事に取り組む姿勢が変わり本気で命がけに成れるのでは、そうした人達だけが、最後に自分の歩んだ人生に満足出来るのではないでしょうか。
 松下幸之助の命がけの活動を再度、自分には出来ているかどうか、一度立ち止まって日本国の為に自分の道を歩んでいるか如何か見詰め直してみてはいかがでしょうか。(1部古山塾頭記事引用)
 来年も四国政経塾は地域の為、日本国の為良い人材を育てて行く事に精進致します。良きアドバイスが有ればお聞かせ下さい。来塾をお持ちしています。
 来年も皆様に取って良き年に成る事を心よりお祈り致します。

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