韓国「機会の学塾」訪問
 平成18年9月21日(木)〜23(土)の3日間、韓国釜山市に拠点を置く「機会の学塾」を訪問しました。今回の訪問の主な目的は、17期生の卒塾生へお祝いの言葉を贈るものであります。
 いつものように淡路島の洲本から関西国際空港へ渡るルートで、韓国釜山市に入りました。何時もながらに、四国から釜山への直行便があればと思った次第です。

 初日は釜山市で布繊維に着色をする会社を経営している卒塾生の金氏の工場見学をさせて頂きました。そもそも韓国において生分解性プラスチック(トウモロコシなどの澱粉が主成分)で食器などを販売している会社の出資者であったことから、そのような会社を経営されているのかと思い、相互のビジネス交流のためにも是非取引を検討したいと思っていたのですが、実際にはスポーツシューズ用の布に着色を行う事業で、直接的な関係が無かったことが分かり少し残念に思いながらも、折角の機会ですので工場の見学をさせて頂きました。工場は市内に2箇所あり、着色の工程を全て見せて頂きました。比較的大きな規模で工場経営をされており、従業員も2工場を合わせて80名程いるとのことでした。メイン製品はナイキのスポーツシューズ用の生地ですが、その他に車のシート用や建築資材用の布地も扱っているとのことです。今まで何度か色々な工場を見せて頂きましたが、全般的に感じることは、使われている機械が比較的古いものが多いという事です。つまり機械化があまり進んでおらず、まだまだ人の手で作業する工程がよく目に付きました。韓国経済は聞くところによると一時の伸びは無く、景気も余りよくないと言われていますが、中小企業が長期的な計画に立ち、機械化による合理的な経営などを行えば、まだまだ経済発展があるのではないかと思った次第です。しかしIT技術はなかなか進んでおり、管理ソフトを使って随時生産状況をパソコンで見れるようにしたり、社員管理もパソコンで行い、契約管理なども常に金社長が何処にいても見れるようにしているとのことで、会社にいなくても常に把握できるようになっていました。工場見学を終え金社長に夕食をご馳走になりながら意見交換を行いました。今回は、コーン製品の取引に関して、金社長を通せない事に対して、大変気に病んでいたこともあって、このことは是非直接会ってお断りをしたいと思っていましたので、今回お話しが出来て、少しホッとすることが出来ました。

 2日目は、11月に計画している韓国釜山市への観光ビジネス交流旅行事業について、10時よりユウ塾主とホテルで話し会いました。今回計画している旅行について、費用面に大きなネックあることをお話ししました。とにかく動いて見て最終的に人数が集まらなければ、中止も止むを得ないとの見解で意見がまとまりました。昼食をご馳走になり機会の学塾の運営について、意見交換をしたのち、夕刻の勉強会まで少し市内見学をしてから、午後6時にホテルから機械の学塾の事務所に向かいました。

 今回の訪問目的のメインである17期生への講義を、先ずは四国政経塾大和田塾頭より行いました。塾頭からは前回入塾の際に講義した内容の確認をしながら、夢を持たない人でも夢を語ることは出来るが、夢を叶えることは出来ない。夢は叶わない。つまり自分自身に志を持ってないと夢は叶わないという事を熱く伝えられました。そのためには先ず行動することが大切であると。上甲 晃氏の実体験を基に、掃除の話や塩と砂糖の山の区別の仕方などを例に挙げ、自分自身が変わることで、家庭が変わり、地域が変わり、国が変わることを卒塾生に伝えました。その後私からは松下幸之助氏の言葉を韓国語に訳し卒塾生に贈りました。「自分には自分の道がある。天与の尊い道がある。どんな道かは知らないが、他人には歩めない、自分しか歩めない、かけがえのないこの道」という言葉です。塾で学ばれたことを基本にして、これからが本当のスタートであり、互いに塾生であることに誇りを持って、これから共に歩んでいきましょうとお話しさせて頂きました。今回も大変緊張し、汗だくになりながらも、なんとか大役を果たす事が出来たと思います。講義の後に会場で意見交換を行いながら懇親会を行いました。意見交換では、塾生間の交流が希薄なことや、互いに国や文化を理解する機会と議論の場がもっと必要ではないだろうか等、今後の相互関係について互いに検討しなければならないことを確認しました。

        

       

 今回もユウ塾主を初め、いつも送迎をして下さる事務局の孫さん等、沢山の方にお世話になり厚く感謝申し上げます。また、今回初めて通訳を担当してくださったキムさんには、方言で随分ご苦労をお掛けしたと思います。いつも温かく歓迎してくださり本当に有難うございました。
平成18年9月23日
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