韓国で考えた事
 ここ数年ほど前から、日本で「韓国」という国がクローズアップされることが、より多くなってきました。
観光・文化・言語・政治、そして昨年のサッカーW杯など・・・私も日頃から、韓国の食文化や言葉に非常に関心がありました。

 実は私、今回の韓国での勉強会が行われる(11/21〜11/24)一週間前に、四国政経塾の塾生となりました。その時点では韓国に行けるかどうか分からないが、とりあえずエントリーをしようということで、行き帰りの飛行機のチケットもキャンセル待ちの状態でした。「今回は見送ることになるであろう」と思っていましたが、幸運にも旅立つ3〜4日前に飛行機のチケットが取れ韓国へ行くことができました。半分諦めていたのと、初めての海外なので、韓国に行けると決まったときは不安な気持ちがあったのも事実ですが、それは直ぐに喜びと期待に変わり、これから韓国で経験するであろう様々な事を思い描く自分がありました。

 実際に韓国で過ごした4日間は、刺激的で私の想像をはるかに上回るものでした。正直な気持ち、最初に金海国際空港に降り立ったときは、見た目に日本とあまり変わりがないので「ハングル文字が無ければ日本なのか韓国なのか分からないな」というのが私の第一印象でした。が、しかし!!そんなものは数時間も持たず・・・何かに急き立てられるかのように猛スピードで走り抜ける自動車。しかも少しでも車間があれば強引に頭を突っ込み、車線変更を繰り返す。そんな自動車などお構いなしに、平然と前を横切り道路を横断する人、人、人・・・!、市場近くの道端には、初めて見るがどこか懐かしい感じを受ける露店、屋台があり、その市場の溢れんばかりの人混みの中を、バイクが当たり前の様に走り抜ける。一つ一つが自己主張しているかのかのような、メリハリの効いた食事等々などなど・・・、釜山という都市から湧き起こるエネルギーに、圧倒されっぱなしで、まさしく「思い知れー!!」と韓国からカウンターパンチをお見舞いされたかの様です。

 しかし、その中でも一番強く私の心に残った物があります。韓国に着いた初日の夜、機会の学塾において機会の学塾の塾生との勉強会が行われ、塾頭が「相田みつを」を題材に講演をされました。その塾頭の話を聞き漏らさまいと、必死に耳を傾け頷きながらノートにペンを走らせる、機会の学塾生のその真剣な眼差し。素直な、でも力強いその眼差しにこの釜山の、いや韓国のエネルギーの原点を見つけたように思います。その真剣な眼差しからは「今自分たちに何が出来るか、何をすべきか」それを学び吸収しようとする強い意志が感じ取れました。

 韓国の人々は、誇り高く、愛国心が強いと聞いたことがあります。「愛国心=生まれた国を誇りに想い国のためを思って行動する心」国を愛するということは、即ち、自分の親や子、兄弟・姉妹、周りの様々な人々を愛するということであり、その人のためを思って行動する心と言えるのではないでしょうか。しかし今の日本の現状を思い起こすと「今さえよければそれでいい・・・」という刹那的で自己中心、自己破滅的は考えが蔓延しているように思います。豊かなこの国で女子中高生が援助交際をしたり、興味本位で殺人を犯したり、親が子を虐待したり、子が親を殺したり、そういった暗い話題が後を絶ちません。
 自分のことを真剣に考えられない者は、自分以外の者にも愛を注ぐことはできないし、ましてや自分の国を愛し、誇りを持つことなどできないのではないでしょうか。

  政経塾の塾生となり、日本を飛び出し韓国の人々の真剣な眼差しに触れなければ、こんな事は考えなかったでしょう。今回の韓国への旅は、政経塾のテーマの一つでもある「行動」を起こすことの大切さを知ることができ、自分自身を見詰め直し、今後自分が何をすべきかを再確認するいい機会となりました。
 そして最後になりましたが、機会の学塾のYOO塾主をはじめ、塾生、卒塾生の皆様、韓国での滞在中には本当にお世話になり、有難うございました。
平成15年11月
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