機 会 の 学 塾 生 を 迎 え て |
4月13日、YOOさんをはじめとする機会の学塾生代表15名が、松山空港へ到着した。今回の来日の目的は、我々四国政経塾との第2回目の討論会と、赤穂市の関西福祉大学との交流である。四国政経塾のメンバー8名と通訳2名で出迎え、討論会を予定している伊予三島市へバスで直行した。以前にも韓国で討論会を行い、機会の学塾生も何名か知っている自分は、荷物を預かり別の車で今夜の宿泊先である長谷寺へ行き宿主へお願いして、みんなの待っている桃山公園へ行った。桃山公園は、三島・川之江を一望することができ、釜山では自然と触れ合うことが少ないからという配慮からだった。そこで昼食をとり、個々に記念撮影を行なった。彼らは、空港から伊予三島市までの道程や桃山公園などを見て、自然が身近にあり、町がとてもきれいだと感想を話してくれた。私も、彼らの感想を聞きながら彼らと再会できたことを懐かしく、そして嬉しく思った。その後篠永伊予三島市長に表敬訪問し、伊予三島市の現状説明と質疑を行ない、地場産業である製紙会社(愛媛製紙・エルモア・丸和)を見学して、討論会へ移った。 機会の学塾のYOOさんと、四国政経塾の大和田塾頭より挨拶をいただいた後、討論会が始まった。機会の学塾の崔さんより「老人問題」についての発表があった。内容は、日本と同じように高齢化が進み大きな社会問題になりつつあり、特に韓国では、ここ30年という短い期間で発生し、その受け皿がないといった現状と、政府や企業に対する職業再訓練とか職業紹介、再雇用や継続雇用などの意見と、長寿国日本でも65歳以上を老人とするのはおかしいという矛盾、そして老人に対する望みや悩みを聞く電話を設置したらいいという提案だった。これに対し、四国政経塾も同じ老人問題について研究調査しており、その内容を発表した。日本でも高齢化が進んでおり、2020年には全人口の1/4が65歳以上の老人となる。これに対する現在の福祉施策はほとんどが特別養護老人ホームやデイケア・ショートステイなど、寝たきり老人や痴呆症患者に対するものであり、健全な老人に対する施設は、老人福祉センターのみとなっている。これに対し、託老塾(仮名)を設立し、健全な老人の方々に教育を行ない、現在の子供たちに欠けている尊敬や感謝の気持ちを教えていったり、地域福祉に貢献したり、健全な老人が寝たきり老人の介護をしたりして、健全な老人たちの生きがいの場を提供したいと考えている。まずそのためには、四国政経塾を法人化し、社会的信用をもちたいという意見を述べた。その後、老人問題について質疑応答があり、机上で考えているだけではなく、実際に足で歩き、自分達の考えていることや行動していることを行政や周囲の人にアピールし、同志を増やし、実現することが必要である。そのためには、機会の学塾も四国政経塾ももっと努力しなければならないし、お互いに意見交換しながら協力し合って行こうという意見が出た。そして、機会の学塾の さんが「新知識人と自己開発」という題名で、将来的には付加価値を生み出す要素として、土地や資本から人間の持っている知識へと移行するであろう将来に対し、過去における偉大な方々を研究し、お互いに思想や業績を紹介することにより、韓国と日本両国の知識人の交流を図り、緊密な協力体制を作っていきたいと述べた。その後、機会の学塾の朱さんより「南北統一と韓日協力関係」という題目で、戦争により、大きな被害を受けている韓国と北朝鮮を統一することは、国内的にも国際的にも相当な付加価値をもたらすと考えられる。そのためにも近隣諸国である日本や中国の協力が必要であり、アメリカやヨーロッパの先進国の援助も不可欠であると述べた。各問題についても質疑があったが時間的に細部までの討論を行なうことができず、意見交換や思想を十分理解することができなかったことに対し、とても残念に思う。次回は、一つの議題に対し、もっと細部での意見交換ができるように考えていきたい。いずれにせよ、国家間の違いはあるが同じような問題が身近に発生し、その中で、思想の違いを討議しながら問題を解決していこうとする場が持てとても参考になった。四国政経塾では、他にもいろいろな問題に取り組んでいるが自分達の周囲の方たちだけの意見や考えのため、解決策が片寄りしてしまうという危険があることを再認識させられた。討論会は、出席者の真剣な意見交換だったため、予定時間が30分ほど超過した後、懇親会へと移った。懇親会では、井原県議や市の国際交流課の方々を交え、各テーブルに韓国人と日本人同数で親睦を深めた。言葉が通じないというハンディもあったが、身振り手振りと片言の英語で楽しい時間が過ごせた。 翌日は、新居浜のマイントピア別子を見学後、赤穂の関西福祉大学へ向かった。途中与島のパーキングエリアで昼食を取り、約一時間観光や記念撮影を行なった。ハードスケジュールの中での休息であった。機会の学塾生たちの、討論会の時の真剣さと全く違った笑顔がとても印象に残っている。関西福祉大学到着後、学長をはじめ大学のスタッフ・ブー先生たちとミーティングを行なった後、機会の学塾・四国政経塾・関西福祉大学の生徒達と歓迎会及び懇親会を行なった。ここで感じたのは、関西福祉大学の生徒達の、自分達で何かをしようとする姿勢、それに対する不安、どうしたいいのかという疑問、私たち四国政経塾がどんなことをしているのかという興味を肌で感じた。それに対するいくらかのアドバイスや意見を話したが、福祉に対する彼らの真剣さと、大学の理念が生徒達に伝わっているのが感じ取れた。機会の学塾生たちに、会えて意見交換できたことへの感謝と再会を約束して赤穂を後にした。 4月13・14日と2日間だけだったが機会の学塾生たちと交流が持ててとても勉強になったし、同じように身近な問題に取り組んでいる人達と親睦を深めることができてとてもよかったと思う。彼らともっともっと話をし、親睦を深め、自分達の身近な問題を解決することにより、機会の学塾生たちの言っている、『付加価値を付ける』ことで自分の生きがいを見つけることができればいいと思う。それと同時に、韓国をはじめ世界各国の人たちと仲良くなり、親睦を深めていきたいと思う。 |
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