地 域 の 時 代 に つ い て |
四国政経塾 塾頭 大和田良夫 |
四国政経塾は、愛媛県・香川県・徳島県・高知県の四県で構成し、松下政経塾の教えを基本に、週に一度定例会議を開いて勉強をしてきた。 松下政経塾は、「人間教育の場である」、という事を趣旨としている。 知識や技能、技術の大切さを否定するわけではないが、すべてそれらは人間にとって道具にしかすぎない。問題は、それを使いこなす人間そのものの資質を高め、良くしていかなければ、宝の持ち腐れとなる。すなわち、松下政経塾の教育の根本は「人間そのものの値打ちをあげる」、ことにある。塾生の一人ひとりを、人間として立派に成長させなければ、国家の運営など任せるわけにはいかない、私はそのように自分で思い込んでいる。 人間として立派であることは、「自分の利益を越えて、全体の利益を常に考えられる人」であると私は信じている。自分の利益のために真剣になれるのと同じように、全体の利益のために真剣になれる人。「人はともかく、自分さえ」と考えるのでなく、「皆が幸せになることが自分の幸せ」と考える人である。 「志のみ持参のこと」。松下政経塾が塾生を募集するときのメッセージである。学歴、地位や役職、過去の経歴、財産などは問わない、ただ一つ問う事は、「社会全体の繁栄、平和、幸福のために自分の人生をかけてみたい」と思う「志」だけである。 という考え方で、私たちが四国という、地域の特性を生かし、地域の活性化に努力しており、今までの日本全体が、戦後米国に追いつけ追い越せで、米国のマネをして、何時の間にか米国と経済的に肩を並べたのである。 日本国内においても、各地域が都市のマネをし東京のマネ、大阪のマネというふうにして、今の日本経済が出来上がってきた訳ですが、この方法では、先進者がいなくなれば、つまずき、先が見えなくなってくる、今の日本がそのように思える。それゆえに、これからは、それぞれの地域が、それぞれの地域の特性を生かし発展していく事が、国全体のためになり、しいては、アジア全体、世界全体のためになるものだと確信して活動しております。 むろん、松下政経塾も月刊誌を出して、その地域の活動、他人の考え方を紹介し全国の、ネットワークの一端を担っている。 四国政経塾では、まだ、機関紙を発行するまでには到らないですが、顧問である衆議院議員の小野晋也氏が発行している月刊誌オークツリーに投稿したり、各地で開催される行事に参加させていただいたり、塾生たちの活動の中で知り合った人々と連絡を取り合ったりして、自分たちの志に賛同していただける人たちへのネットワークをはかっています。 私たち四国政経塾は、ネットワークを根にまず行動する事、つまり人間には、知恵という資源があり、体力があり、想像力もある、この人間一人ひとりの資源を使い、私たちの基本である、一人ひとりという部分が、それぞれの個性を持って成長していく部分で、有意義なネットワークを組上げながら、横のつながりを持ち、 お互いに成長する事を目指している。 その成長する場所として、四国政経塾があり、その政経塾の中で、地域は地域の置かれた自然的、歴史的、社会的、文化的な特性を十分にふまえて、地域に則した未来像を描いて行動する事である。 今後の四国、日本、アジア、世界を考えるうえで、独自の哲学を持ち、それを強力に主張していかないと、そういう地域は見捨てられることになりかねない。 一人ひとりが高い参加意識と積極性、広い視野、豊富な情報により自由な地域づくりの環境が形成される事により、今後の21世後紀に向かっての方向づけが考えられるのではなかろうか。 要するに、自由な発想に基づく企画力・構想力・開発力・情報ネットワーク・イメージ・やる気等が必要であり、個々で強い志を持ってほしい。 それぞれの分野で卓越した専門知識と旺盛な意欲と行動力、それに危険に恐れない勇気が21世紀への先導者の同志になりうると思われる。 尚、最後に、故松下幸之助塾主が言っていたように、「必ず成功する方法」つまり、成功するまでやり通すという精神で、今後の四国政経塾の運営にあたりたいと思います。 |
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