第54番 えん   めい    じ

ご詠歌
くもりなき かがみのゑんと ながむれば
のこさずかげを うつすものかな



 松山から瀬戸内海沿いにたどると、今治の手前六`ほどのところに近見山(海抜二四四b)がある。いまでは斎灘、燧灘にかこまれた芸予諸島の南半と、来島海峡の全景を展望する絶好の地となっているが、昔この山頂に延命寺があった。寺の創建は行基菩薩が不動明王を刻んで本尊として安置したのにはじまり、後に嵯峨天皇の勅願によって弘法大師が再興し、近見山円明寺と号した。
 そのころ七堂伽藍が整い、荘厳をきわめていたが、たびたびの兵火にかかり、そのたびに寺は移転し、天正年間の兵火にあってから山の麓に移建された、明治以降寺名が円明寺から延命寺に改められた、宝永元年(一七〇四)の梵鐘は住職の私財で鋳造したもの。
 それ以前の梵鐘は戦乱の合図の鐘に使われ夜になると叩かないのに「いぬるいぬる」と鳴くので恐れられた。また、松山城へ持出されそうになって「イヤーン、イヤーン」と鳴くので置き去りにされたという。
本尊真言
のうまくさんまんだ ばざらだん せんだ
まかろしゃだ そはたや うん たらた かんまん

名称 近見山 延命寺
宗派 真言宗豊山派
本尊 不動明王
住所 愛媛県今治市阿方甲636
Tel  0898−22−5696
駐車場 午前 7時〜午後 5時
 普通車 30台(100円)
 マイクロバス・大型車合せて 6台(500円)
交通 円明寺→延命寺
徒歩 約 7時間 5分 33.9km
 車  約 1時間 10分 37.1km
宿坊なし







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