「人の活かし方」


「まかせてはいるけれども、たえず頭の中で気になっている。そこでときに報告を求め、問題がある場合には、適切な助言や指示をしていく。それが経営者のあるべき姿だと思います。これは言いかえますと、『まかせてまかせず』ということになると思います。まかせてまかせずというのは、文字どおり『まかせた』のであって、決して放り出したのではないということです。」(松下幸之助)
 どんな仕事でも一人では出来ないのですから、誰かに任さなければ成りません、その時に適材適所の人物を見分けるのが経営者の大きな仕事です。
 松下幸之助塾主は、自分が成功した要因の一つは、「体が弱かったからだった」と述べています。普通は体が弱いことは成功の要因とは考えません。しかし、松下塾主は体が弱かったからこそ、部下に仕事を任せざるを得なかったというのです。まさに「拝む」思いで仕事を任せた松下塾主のリーダーシップは、けっして率先垂範型ではなく、そうせざるを得ない中で培われた権限移譲型のものだったと言っていいかもしれません、此の仕事を任せる時、松下幸之助塾主の人間を見る人間観の凄さが、今の事業に繋がって要ると思います。
 人は権限と責任が与えられれば、誰でも創意工夫を働かせ、その信頼に応えようと努力します。それは、組織で働いた経験がある人なら誰でも実感のあることです。ただし、仕事を任せるといっても、最終的には、「責任は我にあり」との覚悟を明確にしておかなければなりません。したがって、自戒を込めて、仕事を任せた場合、その進捗を見守りながらも、時には報告を求め、けっして任せっぱなしにしてはいけないということを肝に銘じておかなければなりません。失敗したときに、部下に責任を転嫁するなど、将に論外というほかありません。
 社員は何か問題が起きると、ほとんどの人は他人のせいにし、自分を正当化しようとしますが、自分の仕事は自分が責任を取れる自分作りをする事が、将来自分を大きくし、会社も大きく成ると思います。 学生時代は、九十九点で褒められますが、仕事は常に百点を取って当たり前だとゆう事を頭に叩き込み、自分の仕事を常に如何すれば、効率良く費用を掛けず出来るかと考えている社員を、経営者は作って行く事が今の時代が求めている会社経営ではないでしょうか?時代錯誤の経営者が「此の会社は自分が作った」のだからとしがみついているのは如何なものでしょうか、時代は変わって来ているし、入って来る社員も、自分が立ち上げの時と考え方が違う人材で有る事に気づき、自分の会社の中の立つ位置を考える経営者に成る事が大事では?

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