不況に打ち克つためには「経営者はどこにでも逃げ場がないのだと思い定める事が肝要である」と、松下幸之助氏は考えており、大暴風雨にたとえて次のように話しています。
「大暴風雨に向って歩いていく時には、それなりの覚悟をすることが必要です。 そうすれば、雨の強さ、風の強さに応じて傘をさす方法も、風を避ける方法も見つかるものです。このまま退くわけにはいかない、どうしても暴風雨に向かって進んでいかなければいけないのだという決意をすれば、道は開けるものです」「先ずは自分の気持ちをしっかりと固め、烈々たる思いを持って困難に取り組むのだという精神を確立することが大事なのです。
それが不況に対処する第一歩といえるのではないでしょうか。 厳しい事態に対処するところに、経営者としての真価が問われることになります」 実際には松下幸之助氏も不況時には身を切られるような思いに悩み苦しんだが、必死に勇気を呼び起こし、ともすれば弱気になって崩れそうになる自分自身を叱りつけ「不況、何をするものぞ」という非常に強い気構えを持って問題に立ち向かいました。
そうすることで知恵や工夫が必ず浮かんできたと述懐しています。
さて、3月11日に発生しました東北地方太平洋沖地震は、甚大な被害をもたらし多くの死者・行方不明者を出す未曾有の大災害となってしまいました。
先ずは被災者の方々に心からお見舞い申し上げますと共に、復興に向けて非常に厳しい現実はありますが、頑張って頂きたいと摂に願うばかりです。 今なお多くの被災者の方々が避難所での不自由な生活を余儀なくされています。
また、福島原子力発電所が被災し放射能漏れによる危険性が懸念され、関東・東北地方においては、物資・電力等が不足する事態にも陥っています。 地域産業等においては風評被害も今後の生活に大きな課題が残っていくものと思われます。
そうした中、我々に出来る事をしようということで、愛媛新聞社が主催する東北大震災の救援金募金活動へのご協力をさせて頂いております。 募金窓口は色々な場所に設置されておりますが、我々も少しでもお役にたてればと募金窓口を設置しましたので、何卒趣旨にご理解をいただけます方には、無理のない範囲でのご協力を宜しくお願い申し上げます。
また、松下政経塾が現地へ支援物資を輸送する旨の協力要請を受けて、当塾生間でも生活用品や毛布・トイレットペーパーや紙おむつ・ティッシュペーパー等を3月28日に送らせて頂きました。
これらの活動は今後も継続して行っていく予定です。
この度の大震災を受けて我々一人一人が、何が出来るかなどについて考える時、こうした予期せぬ災害有事のときに、ただ気の毒にと現地の方々を同情する事で終わらせるのではなく、自分たちが同じ立場になった時に、その場で他人のために行動できる精神を、常日頃より養わなければと考えさせられました。
現地でも着実に復興に向けて、それぞれのコミュニティのなかで新しいリーダーが生まれていることに大きな期待を寄せています。 前段で述べた松下幸之助氏の不退転の覚悟で取り組み、互いに助け合う事で、この苦難に立ち向かって行かなくてはと思います。 |
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