松下幸之助氏の教えから=旧来の習慣・慣行・常識を打ち破る


 不況期に会社の経営が低迷するのは、過去の成功体験に縛られ、旧態依然としたやり方にとらわれている場合が多く、松下幸之助氏は「会社の移り変りのテンポは速いものです。 ですから、過去の信用、暖簾によって商売ができると考えてはいけません。 常にお客様が何を求めておられるかを適切にキャッチして、刻々にそれに応えていく、いわば日々新しい信用を生み出していくことが大事だと思うのです」と話しています。
 世の中は日進月歩。 その進歩に見合うよう技術開発はもちろん販売手法、広告宣伝の仕方、人材育成の方法等、改善すべきものはいくらでもあります。 不況時にはその感覚を鋭くして、これまで当然としていたこともすべて変えてしまうほどの覚悟をもって点検し、発想を転換する事を松下幸之助氏は求めました。

 次なる発展への糸口を見つけ出す心得として、松下幸之助氏は次のように述べています。
 「大事な事は、お互いがそういったところに興味を感じるかどうかという事です。 改善点を見出して、そこに創意を働かせて新しいものを生み出していく、そのことが面白くて仕方がない、もう寝るのも惜しいというようなことであれば、これは非常にうまくいくと思うのです」
 非常時とも言える不況期には、過去の経験則だけでものを考え行動しても上手くいかないという事です。 これまで当然の事としてきた習慣や手法を徹底的に見直さなければなりません。 これは不況に不況に立ち向かう会社だけの問題ではなく、社会全体にも必要な考え方です。
 いま株式会社「日本」が大変な不況時代に入っているのです。 これまで日本が抱えてきた様々な問題に対して、変えてはいけないのも当然あると思います。 しかし、変えなければいけないものも沢山あるのではないでしょうか。 私達は日々の暮らしの中で変えてはいけないものを個々の便利さや豊さを求めるあまり、ついつい見失っていたように思えてなりません。 それは、人を思いやり互いに助け合う共助の精神であり、人を労り愛する慈悲の心であり、家族や地域や延いては国を愛する心ではないでしょうか。 我々日本人が本来持っていた大切な心や精神をこうした苦難の時期にこそ今一度見直し、時代に合った総点検をしなければならないと思います。 不況だと嘆くだけでなく、一人ひとりの生活の色んな場面で、こうした気持ちの切り替えや会社全体を今一度見直すことが大変重要だと思いますがいかがでしょうか。
 四国政経塾では、こうした松下幸之助氏の教えを現代社会の中で、どのように活かしていけばよいかを学んでいます。 是非とも気軽に毎週水曜日の勉強会を覗いて見て下さい。 皆様のお越しをお待ちしております。

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