松下政経塾では塾訓として「素直な心で衆知を集め、自修自得で事の本質を究め、日に新たな生成発展の道を求めよう」と謳っています。 松下幸之助氏は「素直な心になりましょう。素直な心はあなたを強く正しく聡明にします」と言っています。
素直になれば、ものの実相がわかる。 色眼鏡で見ない、捉われた心で見ないから、赤い色は赤く見え、黒いものは黒く見える。 そういう心を養っていくと正しくものを見られる。
従って賢くなり聡明になってくる。 聡明の極致は英知であり、その上は神知(神の知恵)である。 素直な心になれば、次には神の知恵になるという考え方を松下幸之助氏は持っていました。 そして、塾生には、みな素直な人間になってほしい。
素直にものを見る事を教え養い、そうすることで過ちの少ない、融通無碍な人間になると言っています。
しかしながら、この素直な心になる事が、なかなか難しいとも言っています。 松下幸之助氏自身も素直な心になる事を日々心に念ずることから始めています。
朝起きて仏壇や神棚の前で「きょう一日素直な心で無事にいかせてください」と30年以上続けたそうです。 それでもまだまだ素直の初段だと言っています。
物事を都合のいいように見るのではなく、自分に都合が良かろうが、悪かろうが、実相をつかむように心がける事で、素直な心で物事を判断出来るようになると言っています。
私共四国政経塾でも「素直」をテーマに幾度と学習しておりますが、非常に奥の深いテーマであります。 素直とは何でも言うことを聞くという単純なものではなく、しっかりと自分の信念を持ったうえで、人の意見や物事を全部受け入れ、自分に取ってどれが必要なのかで無く、自分の周りの人、地域にとってどれが必要なのかを見分ける作業なのです。
故に自己主張が頑固に残れば人の意見はなかなか入ってきません。 その時間は虚心になって、松下幸之助氏の言う神知の自分と言うものをなくしてしまします。
物事の奥底に見つけ出す為には素直な心で全てを受け入れる自分を持つ事が必要となります。 言うは易しで実際にこれを実践するのは中々簡単ではありません。
しかし豊かな人生を形成するために最も必要な基礎が「素直な心」ではないかと思うのです。 松下幸之助氏が言った毎日素直な心でいけますようにと願う作業のように、日々積み重ねる小さな努力が「素直」になるための最善の方法ではないでしょうか。 |
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