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ご詠歌 |
よひのまの たへふるしもの きへぬれば
あとこそかねの ごんぎゃうのこゑ |
弘法大師は入唐前にこの山へ登って草庵を結び、霊場とした。天長九年(八三二)智証大師が青峰の麓へ巡錫したとき、白髪の老翁(市之瀬明神)があらわれ「ここは観世音の霊地で三谷ある。毘沙門谷に行場を、法華渓に本堂、後夜谷には法華三昧の道場をつくり、また、蓮華谷の香木で本尊の観世音を刻むように」と告げた。その後智証大師は青峰に登り、老僧と出会うが、この老僧は山の守護神の山王権現であったことから、山を開くにあたり、市之瀬明神と山王権現を鎮守としてまつり、香木で観世音の尊像を刻んで先の老翁のいうごとく安置した。この香木の根の香りがあまりにも高いので寺名となり、また、香りが川に流れて香ることから「香川」の県名がつけられたともいう。智証大師が伽藍を建立後盛んになり、後白河天皇の勅願所にもなった。現存本堂への廻郎には戦後の勧進による万体観音像が奉安されている。 |
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