日本の伝統精神

 新年明けましておめでとう御座います。皆様にとって幸多き一年で有ることをお祈りいたします。
 お正月と言えばその地域独特の伝統行事、おせち料理が有るように、日本には日本人としての誇りと伝統が有ると思います。
 今でこそ、海外での研修は比較的容易になってきました。しかし、明治維新から昭和の中頃まではごく一部の人達しか海外研修への道は有りませんでした。松下政経塾開塾時は塾生が海外研修に憧れ、海外研修の強い思いを訴えました。海外研修に憧れる塾生に対して、松下幸之助塾主は次のように述べています。「なるほど、海外のことも知る必要はあるし、君の考えは結構だけれど、まず内のことを知らないと、外国のことばかりわかってみても役に立たない。『日本という国はこういう国である。日本人はこうだ。日本の伝統はこういうものだ』ということをはっきりつかんで、それで海外へ行って、海外についての知識を得ることが大切だと思いますね、日本を知らずに、外国を知っても、それでは尻切れトンボになってしまう」
 明治維新のときも、日本の文化伝統を軽視して、ただ海外の文化を取り入れればいいと考えた人は成功していないという例をあげ、まず、お互い日本のことをどれだけ知っているのか、本当に日本の文化伝統を理解し、先ず、自分を知り、日本をよく知る事から物事を考え、行動を起こす事を説いています。
 私自身、大きく捉えると日本人の芯の伝統精神は思いやりだと思っています。家族、仲間、会社、地域、日本国を大切に思いやる事が、自分が本気で行動を起こし、自分の信念を貫けるのではないでしょうか。
 現代は自己中心の人が増え、自分が一番正しいと思い込み、行動を起こすから、犯罪が増え、自殺者が増えるのではないでしょうか?
 今回の国政選挙でも、現職大臣が落選し、マスコミで自分の努力と力不足を反省するので無く、総理の解散が誤ったとか、自分の所属する党の悪口を平気で言っている姿、そんな人達に国の舵取りを任せていた事が国民の一人として情けなく思います。此の人達は真に自己中の人だとは思いませんか、今の時代だからこそ、思いやりの精神で、多くの仲間と心を一つにし、此れからの子供達が、良い街に生まれ、育って良かったと胸を張れるよう、再度自分達の地域を見つめ直し、より良い地域作りを今一度考えてみては如何でしょうか。

 松下幸之助は、日本の伝統精神のひとつに、「主座を保つ」ことをあげています。日本の歴史を振り返れば、明らかなことですが、日本人は海外からの文化をうまく取り入れて日本化してきました。日本古来の神道をもとに、仏教や儒教を融合させて、日本独自の宗教観、道徳観を形づくってきたことは、改めて述べる必要はないでしょう。「日本の伝統精神とは何か」を考えることは、此れから日本人として生きていく為において重要なテーマと思われます。
 自分自身の成長の為にも、もう一度普段の生活態度を見直し、世界の時代の流れに遅れ無い様色々な物を取り入れ、日本の伝統と融合させ、変化し、それらを自分の物にし、全ての物に思いやりやを持って自分を成長させることが、家族、会社、地域、日本の為に、此れからの時代に生きて行く人達の使命だと思います。

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